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交流電力の伝送損失について説明します。伝送損失の内訳には銅損、表皮効果による損失があります。
■銅損
送電時の電力損失は、送電線の抵抗分の電力と等しく、以下式で表します。また損失はジュール熱分となるため、ジュール熱と同じ式でもあります。
<高電圧の方が送電時の損失が低い理由>
<適切ではない説明>
電力が同じならば、電圧が高い方が送電時の損失が低いですが、その理由の説明として以下の様な説明がされる場合があります。
しかし上記の場合、①②で抵抗値が異なるので、抵抗値も考慮して損失を計算するとどちらも損失は同じになります。
<交流を変圧した場合を考える>
上記は説明が適切ではなく、交流電流の特性から考える必要があります。
交流の電圧を変換する場合は変圧器を用い、この時以下の様に巻線の比によって電流と電圧が決まります。
交流電流を送電する場合、上記の変圧器を組み合わせ、高圧にして送電し、末端の負荷に電力を供給する際に低圧にします。
以下の様に、低電圧時と高電圧時の送電線の損失を比較すると、高電圧時の方が損失が低いことが分かります。
なお、上記真ん中部分の回路に着目すると以下のとおりになります。
高電圧時の方が右側のコイルの電気抵抗(インピーダンス)が高くなり、相対的に電線の抵抗が小さくなるため、電線の損失が低くなります。
■表皮効果による損失
表皮効果とは、交流電流を加えたときに導体の外側の方に多く電流が流れる現象のことです。外側に電流が集中することで電気が通りにくくなって損失となります。
周波数が高い程、表皮効果が大きくなるため損失が大きくなります。
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