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公開日:2017/2/27 , 最終更新日:2020/5/23
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前提知識
・複素数の基本
複素数の概念をこちらで説明しましたが、実用面で何のために使うのか、その必要性や利点を説明します。
複素数は実在する数ではないのですが、存在すると仮定して利用すると非常に都合が良くなります。
■バネの振動
バネは位置エネルギーと運動エネルギーの総和を一定に保ったまま、お互いのエネルギーを変換させながら動きます。
ただし、運動エネルギーは速度として観測することが出来ますが、位置エネルギーはバネ(重り)から直接測ることは出来なく、バネに内在したエネルギーと言えます。
この見えない位置エネルギーを虚数として扱い、運動エネルギーを実数として扱います。
エネルギーの損失が無い場合は単振動となり同心円状を動きますが、摩擦などのエネルギーの損失が有る場合は、徐々に減衰していくので円が小さくなっていきます。

ここで、虚数成分を振動(周波数)成分を表し、実数成分を減衰として表すことができますが、
この様に複素数を振動と減衰に見立てた表現を複素周波数と呼びます。
この表現方法を利用すれば、以下の手法を用いて制御対象物の特性を解り易く表現する事ができます。
・特性方程式を用いた安定性評価
・ボード線図を用いたゲイン/位相特性の表現
■交流電力
交流電力の無効電力は実際には回路で消費されない仮想的な電力で、これを虚数で表現します。こうする事で交流電力を容易に求める事ができます。

■周波数分析
周波数分析を行う際にもフーリエ変換で複素指数関数を用います。特にFFT(高速フーリエ変換)の際に計算を簡素化するためには複素指数関数の周期性、対称性の性質を用います。
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