背理法を具体例で説明



数学

公開日:2023/3/12         

前提知識


■背理法とは

背理法とは「事象Xを証明するために、Xが成立しないと仮定すると矛盾が生じることで、Xが成立することを証明する」手法のことです。

背理法を使用する例として、以下の様な「嘘つき問題」を解く場合に使用します。

(問) A,B,Cさんの中で誰か一人だけ嘘をついています。それは誰か。

 Aさん「私は一番背が高い」
 Bさん「私はAさんの次に背が高く、そして一番背が低くない」
 Cさん「私は一番背が高い」


この問題を背理法を使って解く場合、 例えばAさんが言っている事が「成立しない(嘘をついている)」と仮定し、矛盾が生じるかを示すことで、 Aさんが本当のことを言っていることが正しいかを確かめていきます。



この問題の解答は、以下の様にCさんが嘘をついている事になります。



■背理法を使用するメリット

背理法は、命題を直接的に証明できなくても、間接的に証明することができます。 例えば上記例において、誰が嘘をついているかを直接的に証明するには、全員の身長を計測してみれば良いのですが、それが物理的にできない場合、この手法が有効になります。 つまり限られた条件の中で、あるいは少ない情報の中で正解を導き出せるのがこの手法のメリットでもあります。

■背理法になっているようで、なっていない例

以下は説明の仕方は背理法ですが、証明のために実際に行っている事は直接全員の身長を調べているだけなので、 背理法とは言い難いです。

ある学校の全員の身長は190cm以下であることを証明せよ


(証明)
誰か一人でも身長が190cm以上の人がいると仮定する、一人ずつ身長を計測していったところ、身長190cm以上の人が見つからなかった。 つまり仮定と矛盾するため、全員の身長は190cm以下であることが証明できた。









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