帰納法と演繹法と仮説推論(アブダクション)の違いを具体例で説明



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公開日:2023/3/12         

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■帰納法と演繹法と仮説推論(アブダクション)の違い

帰納法とは、複数の個別事象から共通項を見つけ、一般的な原理原則を導く手法です。例えば以下のとおり。

① 先週の金曜日の夕食はカレーだった (個別事象)
② 今週の金曜日の夕食もカレーだった (個別事象)
③ したがって、毎週金曜日の夕食にはカレーが出る (原理原則)


演繹法とは、一般的な原理原則から個別事象を推論する手法です。演繹法の典型例に三段論法があります。以下例のとおり。

① 毎週金曜日の夕食はカレーが出る (原理原則)
② 今日は金曜日である (個別事象)
③ したがって、今日の夕食はカレーである (結論)


仮説推論とは、個別の事象が最も合理的に説明できる仮説を導出する手法です。以下例のとおり。

① 毎週金曜日の夕食はカレーである事が分かっている (原理原則)
② 今日の夕食はカレーだった (個別事象)
③ したがって、今日は金曜日だろう (仮説)


演繹法と異なるのは、演繹法で導き出される結論は原理原則が正しければ正しい結論になりますが、 仮説推論は、導き出された仮説が必ずしも正しいとは限りません。 上記例では、夕食がカレーだったため、その日は金曜日であるとしましたが、夕食にカレーが出るのは「金曜日だけ」とは限らないからです。

<帰納法と演繹法と仮説推論の違いまとめ>


■数学的帰納法

数学的帰納法とは、帰納法を数学における事象に当てはめたもので、代表的なパターンとして以下があります。

① 自然数n=1の時に、ある事象Xが成り立つ
② n=kの時にXが成り立つとすると、n=k+1の時にもXが成り立つことを証明する
③ したがって、全ての自然数についてXが成り立つことが言える


■演繹法が成り立たない例

以下は間違った演繹法の有名な例ですが、これはアブダクションによる仮説推定と考えたら間違った論理構築ではありません。 (仮説が正しいかどうかは別ですが)










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