走行抵抗とは (空気抵抗 , 転がり抵抗) 計算方法



自動車工学

プラントモデル

公開日:2020/12/2         

 ・In English


■走行抵抗とは

自動車が走行する際の走行抵抗は、空気抵抗と、タイヤと路面との接触面に生じる転がり抵抗によって決まります。


<空気抵抗>
空気抵抗は以下で表すことができます。車速以外は固定値なので、空気抵抗は車速の二乗に比例するといえます。



Cd値(Constant drag)とは空気抵抗係数で、空気の流れやすさを表す係数です。車両の形が流線形の方がCd値が低くなっていきます。 また厳密にはCd値は車速によって変化します。

前面投影面積とは、壁を背面として自動車を正面から光を当てた時に壁に投影される影の部分の面積です。この面積が小さい方が走行抵抗は小さくなります。前面投影面積はFA(Front projected Area)ともいいます。



<転がり抵抗>
転がり抵抗は以下で表すことができます。cは転がり抵抗係数で、タイヤの素材や空気圧、硬さ、また温度によって決まり、温度が高い方が転がり抵抗は小さくなります。また厳密には車速によっても変化します。 アスファルト上における転がり抵抗はおおよそ0.01~0.015程度といわれています。転がり抵抗係数はRRC (Rolling Resistance Coefficient)ともいいます。



■走行抵抗を近似式で求める

<惰行法>
自動車メーカーが燃費値を計測する際、シャシーローラー負荷を設定するため走行抵抗をあらかじめ測定しておく必要があり、その測定方法の一つに惰行法があります。 惰行法は、路上で車を走らせ、トランスミッションをニュートラル状態にして車両の減速度を計測する事で走行抵抗を算出する方法です。



走行抵抗と車両減速度dの関係はニュートンの法則より以下となります。いくつかのポイントでデータを取得すると、車速の二乗に近似できるため、係数Aと係数Bをそれぞれ求める事ができます。



ただし上記のとおり、厳密には転がり抵抗係数cと空気抵抗係数Cdは車速によって変化するので、走行抵抗は以下近似式によって表すのがより正確に近似させることができます。











サブチャンネルあります。⇒ 何かのお役に立てればと

関連記事一覧



自動車工学

プラントモデル