フェイルセーフとフールプルーフの違い, インターロックとは



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プラントモデル

公開日:2023/4/14         

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■フェイルセーフ(fail safe)とは

フェイルセーフとは、システムや部品の異常が発生した場合に、本来の機能や性能を損なってでも安全な状態にする仕組みのことです。

自動車の例では以下があります。

① スロットルボディが固着して車が暴走しそうになった瞬間に、燃料カットして出力を制限する
② ラジエターにゴミが詰まりオーバーヒートしそうになったら、スロットルを絞って出力を制限する


<レイテントフォールトとは>
レイテントフォールト(Latent fault)とは潜在故障といい、システムや部品の異常が車両の挙動などに表れていない異常状態のことです。 例えば上記①で燃料カットするという機能がありますが、燃料カット機能が異常だったとしても、スロットルボディが故障するまではそれに気が付くことができません。 そういった故障(この場合は燃料カット機能の故障)をレイテントフォールトいいます。レイテントフォールトを検出するには、スロットルボディが故障していなくても、 どこかのタイミングで燃料カットを実施して、正常に燃料カットが作動するかを確認するなどの対応を行います。

■フールプルーフ(fool proof)とは

フールプルーフとは、システムや部品の異常ではないが、人間側の誤った使用方法によって不安全な状態に陥ることを未然に排除する仕組みのことです。 fool proofという言葉の意味ですが、例えば防水だったら「water proof」、防塵だったら「dust proof」と言うように、愚か者(fool)を防ぐという意味でfool proofと言います。 日本には「防愚」という言葉は存在せず、英語ならではの皮肉が効いた言葉だと思います。

自動車の例では以下があります。

① アクセルとブレーキの踏み間違えを検知して、車が加速しないようにする
② Pレンジに入れていないとエンジンが始動しないようにする
③ ブレーキを踏んでいないとPレンジからDレンジに移行できないようにする


上記の②③を実現する場合の様に、複数の独立した条件が揃わないと機能が有効にならない仕組みをインターロックといいます。②はスタータインターロック、③はATインターロックといいます。

■フェイルセーフとフールプルーフの違い

上記で説明したとおり、フェイルセーフはシステムや部品の異常に対する処置で、フールプルーフは人間の異常に対する処置です。 また、フェイルセーフは異常が発生してから対処するのに対して、フールプルーフは異常が発生する前に処置するという違いもあります。

従って、人間の異常(操作ミス)によってシステムや部品が壊れてしまった場合に処置するのは、フェイルセーフです。









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