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前提知識
・二重スリット実験
・量子もつれ
■量子消しゴムとは
量子消しゴムとは、二重スリット実験で得られる、光子が通った経路情報を、あとから消す (わからなくする)ことで、干渉縞を復活させられる現象を示す実験です。
実験装置は以下のとおり。

<経路を特定できるケース:干渉縞が現れない>
D0の検出器にあるスクリーンに干渉縞が現れる条件は、光子がスリットのどちらを通ったかを観測していない場合になります。
D3、D4の検出器に光子が観測された場合、光子が通ってくる経路が一つしかない為、どちらのスリットを通ったかが特定できます。従ってこの場合はスクリーンに干渉縞は現れません。

<経路を特定できないケース:干渉縞が現れる>
D1, D2の検出器で光子が観測された場合、光子が通ってくる経路は複数考えられるため、どちらのスリットを通ったか特定できなくなります。従ってスクリーンに干渉縞は現れます。
この時の経路を特定できなくする役割を持つB3を量子消しゴムといいます。

■量子消しゴム遅延選択
上記の実験装置において、検出器D1~D4までの到達距離をD0より十分に長く設定し、光子がD0に先に到達するようにします。
つまり、D0の結果を先に確認し、その後にD1~D4の結果を確認できるようにします。この場合でも、実験結果は先に述べたものと変わりません。
すなわち、D3・D4で光子が検出された場合には干渉縞は現れず、D1・D2で検出された場合には干渉縞が現れます。
このことから、一見すると「未来の選択(D1~D4での観測)が、過去の結果(D0での観測)に影響を与えている」ように思われるかもしれません。
<未来の選択が過去の結果に影響を及ぼすわけではない>
しかし実際には、未来の選択が過去の結果に影響を与えることはありません。どういうことかというと、実験が終了した時点でスクリーン(D0)には、D1~D4で観測された光子と対になるすべての光子の結果がすでに記録されています。
その後、D1・D2で検出された光子と対になるものだけを抜き出せば干渉縞が現れ、D3・D4で検出された光子と対になるものを抜き出せばランダムな分布になります。
つまり、先にD0を観測してからD1~D4を観測したとしても、D0とD1~D4の光子の対応関係は変わらないのです。

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