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公開日:2017/1/18 , 最終更新日:2022/5/14
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・In English
前提知識
・Scilabの使い方
■バネマスダンパ系の微分方程式
バネマスダンパ系の運動方程式/微分方程式の導出方法の説明、およびバネマスダンパのモデルの構築、シミュレーションによる動作確認を行います。
下記図の様なバネマスダンパ系に、力F(t)を与えた時の変位量x(t)を求めます。
F(t)はバネ、マス、ダンパそれぞれからの反力の合計となりますので、以下式となります。
それぞれにかかる力は以下のとおり。
<バネの運動方程式>
フックの法則により、バネにかかる力はバネ定数kとバネの変位量x(t)に比例するため、以下となります。
<ダンパの運動方程式>
ダンパという物は、例えば車のサスペンションについている様な部品で、ショックアブソーバー(振動減衰装置)とも呼ばれます。
イメージとしては円筒状の部品(シリンダ)の中に油が入っているピストンの様なもので、ピストンを思い切り押してもすぐには進まず、
これがショック吸収の役割を果たしています。イメージ図は下記のとおり。
ダンパにかかる力は位置とは関係なく、ダンパが動く速度に比例します。これはピストンをイメージしたら解ると思いますが、
ゆっくりピストンを押したら押す力は小さく、早くピストンを押したら押す力は大きくなり、これはピストンがどの位置に
あっても変わらないと思います。従ってダンパにかかる力FD(t)は、粘性減衰係数Dとダンパの速度v(t)から以下のとおり表せます。
また、速度v(t)は位置x(t)の微分であるため上記式を以下のとおり変形します。
<マスの運動方程式>
マスは単なる質量のある物体で、質量mの物体にかかる力Fmと加速度aの関係はニュートンの運動方程式により以下となります。
また、加速度は速度の微分、速度は位置の微分で表すことが出来ますので、加速度は位置を2回微分した形で表すことが出来ます。
<バネマスダンパ系の微分方程式の最終系>
(2)(3)(4)式を(1)に代入します。
■バネマスダンパ系のモデルをScilabで設計
(5)式をScilabで設計するのですが少しコツがいります。力を与えた時の変位量x(t)を最終的に求めたいのですが、
先ずは以下の様に変形します。
これをブロック図で表現すると以下になります。
こうしてみると、dx(t)/dtや、x(t)が表現できていませんが、dx(t)^2/dt^2を積分すれば求まることが解ります。
それをブロック図で表現すると以下になります。
Scilabで表現すると以下になります。
■バネマスダンパ系の動作のシミュレーション結果
シミュレーション結果と各パラメータは以下となります。
・k = 0.5 [N/m] : ばね定数
・m = 2 [kg] : 質量
・D = 1 [N/(m/s)] : 粘性減衰係数
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