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前提知識
・ボード線図の書き方
・Scilabの使い方
■むだ時間系の伝達関数
以下のとおり。L:むだ時間。

上式にjωを代入します。

■むだ時間系の伝達関数を複素平面上に表現
上式はオイラーの公式で表現でき、複素平面上では原点からの距離が1の円周上に位置します。

■むだ時間系のゲイン特性
デシベルの計算式より、以下となります。

これはむだ時間や周波数によらず常にゲインは0dBとなりますので、ボード線図としては以下となります。

■むだ時間系の位相特性
ωLが大きくなるに従い位相が遅れていきます。

この様に出力の大きさは変えずに位相だけを遅らせる特性を持つフィルタをオールパスフィルタと言います。
ただしこれは非線形の特性となりそのままでは扱えないので、線形の特性を持つ式で近似する必要があります。
近似の手法の一つであるパデ近似についてこちらで説明します。
■むだ時間系の動作のシミュレーション結果
以下のとおり。むだ時間は通常の伝達関数ブロックでは表現できませんので、ディレイブロックを使用します。

黒が入力、緑が出力になり、位相だけが遅れていることが解ります。

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