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公開日:2017/3/10 , 最終更新日:2023/8/23
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前提知識
・対数
■デシベル[dB]とは
デシベルとは音の大きさを表現する単位です。音の大きさは本来は音圧(単位はPa)ですが、音圧は値の幅が広く、値が大きくなるに従い人間が感じる音の大きさが感覚と合わなくなるため
対数を使用して表現します。
<式の導出>
単位時間に単位面積を通過する音のエネルギー量、音の大きさレベルを以下の様に定義する。

なおデシベルは騒音の指標だけではなく、電力や制御工学における利得(ゲイン)の指標としても使用します。
■デシベルの特性
人間の聴覚の限界と言われている音圧20μPaを基準とした時、0デシベルとなります。
また音圧10倍ごとに20dB増加するため、その特性を20dB/decとも呼びます。(decはディケードの略で"10倍"という意味がある)

対数が人間の感覚と似ているという理由を説明します。まず上記表のXとdBの関係をグラフにします。
ここでXを刺激の大きさ、dBを人間の感じる強さとします。

この特性は、刺激の絶対値が小さい領域では少しの刺激の増加でも人は敏感に感じ、
刺激の絶対値が大きい領域では刺激の増加の割にはあまり感じないという人の特性に一致しています。
これをフェヒナーの法則といい、人間の感覚は刺激の大きさの対数に比例するというものです。
例えば20dB⇒60dBに変化した時に、デシベルでは3倍の増加に対し刺激は100倍与えられている訳ですが、人の感覚としては3倍の増加が素直な感覚なのです。
■デシベルの足し算
デシベルは対数であるためそのまま足すことはできません。従って例えば50dB+50dB=100dBにはなりません。
デシベルを足すためには以下のようにする必要があります。

以上より、50dB+50dB=53dBとなります。また、50dB+30dB≒50dBとなり、デシベルは大きい音の方が支配的となり、
小さい音は音の大きさにほとんど影響を及ぼさないことが分かります。簡易的にデシベルの足しは以下表で求めることができます。
大きい方のデシベル値に対して、小さい値のデシベルとの差分に従い以下補正値を加えます。
先ほどの50dB+50dBは、デシベル差が0なので50+3=53dBとなり、50dB+30dBはデシベル差が10なので50+0=50となります。

複数のデシベルを足す場合も同じ様に計算できます。

簡易計算方も一つずつ足して計算できます。
例えば50dB+50dB+50dBは、50dB+50dB=53dB、53dB+50dB=55dBとなります。
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