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■2次遅れ系伝達関数のボード線図の書き方
以下で表される2次遅れ系のボード線図の書き方を説明します。ボード書き方の基本はこちらを参照。

(ω=固有振動数、ζ=減衰係数)
上式にs=jωを代入し、以下のとおり式変形します。

ここで、

とおくと、

■複素平面上に表現
(1)式を以下の様に複素平面上に表現します。ボード線図を書くためには、G(jω)の絶対値と角度を求める必要があります。

■2次遅れ系のゲイン特性
G(jΩ)の絶対値は以下のとおり。

ここでデシベルの計算式より、以下となります。

上記はΩの値によって特性が変わるので、場合分けをします。
■Ω<<1 (1より十分小さい)のとき
(2)式より、

■Ω>>1 (1より十分大きい)のとき
(2)式より、

■Ω=1のとき
(2)式より、

ここでζの値によって特性が変わりますので、更に場合分けを行います。
■2ζ > 1のとき

■0 < 2ζ< 1のとき

ボード線図
以上を踏まえボード線図は以下のとおりになります。

■2次遅れ系の位相特性
位相特性は複素平面上で考えると解り易いです。これもωの値によって特性が変わりますので、場合分けを行います。
■Ω<<1 (1より十分小さい)のとき
虚数成分が0となり実数軸上にのるため、位相は0°となります。

■Ω=1のとき
実数成分が0となり虚数軸上にあるため、位相は-90°となります。

■Ω>>1 (1より十分大きい)のとき
実数成分は1/Ω^2、虚数成分は1/Ω^3となり、Ωが大きくなるほど虚数成分は小さくなり実数軸に近くなるため、位相は-180°となります

ボード線図
以上を踏まえるとボード線図は以下のとおりになります。詳しくは説明しておりませんが、これもζの値に応じて特性が変わります。
ただしζがどんな値においても、Ω=1の時には位相は90°遅れます。

■2次遅れ系のシミュレーション結果
Scilabで動作を確認します。ω=1 , ωn=1 , ζ=0.05 とした時、つまりボード線図上でゲインが立っている箇所のシミュレーション結果は以下のとおり。入力(黒線)に対して出力(緑線)が
どんどん大きくなり、発散していくのが解ります。この周波数を共振周波数といいます。


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