鉛電池の仕組み



化学

公開日:2020/12/31         

前提知識


■鉛電池
鉛電池は以下の構成になっており、硫化水素(H2SO4)の電解液に、負極に鉛(Pb)、正極に二酸化鉛(PbO2)の電極が浸っております。



<基本原理>
①PbはPb2+が安定した性質を持っているので、Pb2+となり水溶液中に溶け出します。そして水溶液中のSO4と即座に結びつき、PbSO4となって負極に付着します。 ② 余った電子は回路を通り正極に移動します。これが電流が流れたという事になります。 ③ 正極に移動した電子はPbO2のPbと結びつきPb2+となって水溶液中に溶け出します。しかしやはり水溶液中のSO4と即座に結びつき、PbSO4となって正極に付着します。またこの時余ったO2はHと結びつきH2Oとなります。



<充電>
以下の様に外部電源を繋ぐと上記の説明とは逆の反応が起き、電子が負極側に流れます。これを充電といいます(逆の現象を放電といいます)。ボルタ電池, ダニエル電池は充電はできず1次電池といいますが、鉛電池の様に充電可能な電池を2次電池といいます。



<起電力>
起電力の求め方は、PbとPbO2の標準電極電池から求める事ができます。こちらの値を用いると、Pbは-0.35V、PbO2は1.7Vなので両者の差分の2.05Vが起電力となります。

<劣化>
放電したばかりのPbSO4は柔らかく、充電で元のPbやPbO2に戻りますが、長い間PbSO4の状態にしておくと結晶化し、充電しようとしても元の物質に戻らない(充電できない)となります。 これをサルフェーションといいバッテリーが劣化したことを意味します。いずれ電極の表面全てがサルフェーションにより覆われ完全に充電できなくなります。









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