核分裂と核融合の違い



化学

公開日:2024/3/9         

前提知識


■核分裂とは
質量の重く、且つ陽子の数が偶数、中性子の数が奇数の様な、安定しない核分裂性の高い物質に中性子を衝突させることで、より軽い物質に変化する反応のことで、その際に膨大なエネルギーを発生します。 核分裂で主に使う物質はウラン235があります。この核分裂のエネルギーを利用したものが原子爆弾です。



なお、広島に落とされた原子爆弾(リトルボーイ)はウラン型、長崎に落とされた原子爆弾(ファットマン)はプルトニウム型です。 プルトニウム型の方がウラン型より威力が高いですが、技術的にはプルトニウム型の方が難しいと言われています。 ただ、被害は広島の方が甚大でした。これは広島の地形によるものが大きいと言われてます。

■核融合とは
核融合とは、高温/高密度状態の中で質量の軽い原子同士が衝突して、より重い異なる原子に変化する反応のことで、その際に膨大なエネルギーを発生します。 核融合で主に使う物質は重水素と三重水素で、これを衝突させてヘリウムを生成し、その際に中性子が一つ放射されます。 この核融合のエネルギーを利用したものが水爆(水素爆弾)で、ウラン、またはプルトニウムの核分裂エネルギーを利用した原子爆弾よりも強力な爆弾となります。 なお、太陽のエネルギーも核融合によるものです。



核分裂は一度分裂の連鎖が始まると抑えがきかなくなりますが、核融合は連鎖反応がないため制御不能になる可能性が核分裂に比べ低く、比較的安全と言われております。

なお史上最大の水爆は、旧ソ連が開発したツァーリ・ボンバであると言われています。 また、マーシャル諸島ビキニ環礁付近で起きた第五福竜丸事件は、アメリカの水素爆弾実験の被害となります。









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