アルコールとエタノールの違い



化学

公開日:2021/5/9         

前提知識、関連情報


■アルコールの分類

アルコールは以下のように分類されます。アルコールの一種にエタノール(エチルアルコール)があり、他にはメタノール(メチルアルコール)や プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘプタノールなどがあります。なお酒として飲用するアルコールはエタノールです。

自動車には混合燃料といってE10燃料、E20燃料などがありますが、これはガソリンにエタノールを10%、20%混ぜた燃料です。


■アルコールの化学式

以下のとおり。アルカン(鎖式飽和炭化水素)の水素原子がOH(ヒドロキシ基)に代わるとアルコールになります。



■消毒用エタノールと無水エタノールの違い

消毒用エタノールはエタノールの比率が80%位のもので、多少水分が含まれた方がエタノールが蒸発しにくくなり消毒効果が高いです。無水エタノールは99.5%なので蒸発しやすく、消毒には向きません。 その代わり水分が含まれず錆びを防ぐことができるので、精密機器の洗浄に適しております。ただ、無水エタノールは不純物や劇物が入っておらず飲用しようと思えばできるので、酒税がかかり値段が高いです。 個人で精密機器を洗浄する場合、無水アルコールを入手が難しい時は、錆に気を付ければ(乾き残りが錆びの原因になるので、ドライヤーですぐ乾かす)、消毒用エタノールで代用も可能と思われます。 (消毒用エタノールは不純物を入れることで飲用できなくするので、100均などでも安く手に入れることができます)

なお液晶画面をきれいにする場合、液晶のコーティングが剥がれてしまうのでエタノールを使ってはいけません。

■不凍液(エチレングリコール)の中和にエタノール

海外ドラマのフィアーザウォーキングデッド シーズン4 第16話にて、自動車の冷却水などに使用する不凍液を混ぜられた水で作ったコーヒーを『なんか甘いな~』と思いながら飲んでしまい 危うく死にかけるが、ビールを飲んで九死に一生を得る。というシーンがありました。このシーンが意味することは、

 ① 不凍液は甘い
 ② 不凍液は飲んだら死ぬ
 ③ エタノールは不凍液を解毒する

という事です。不凍液の成分はエチレングリコールで、確かに飲んだら甘いですが最悪死亡に至る毒物です。不凍液の成分は冷凍剤にも使われているので、子どもや動物が誤飲してしまう場合もあるようです。 そして不凍液を解毒する作用もあるのですが、映画の様に飲んだらからと言って大丈夫という訳にはいかず、症状が出て暫くたって口から摂取するのではとても間に合わなく、血液に直接注入する 位しないと解毒はされません。ご注意を。先ずは誤って飲んでしまったら病院に行くのが良いです。









サブチャンネルあります。⇒ 何かのお役に立てればと

関連記事一覧



化学