放射性炭素年代測定法とは 炭素14年代測定法



化学

公開日:2024/3/9         

前提知識


■放射性炭素年代測定法とは

放射性炭素年代測定法とは、主に地層に埋まった生物の、生存していた時期を調べる方法です。

<原理>
大気中にはC14という炭素の放射性同位体が一定濃度で含まれており、 C14は光合成によって植物に取り込まれ、更にその植物を食べた動物にも取り込まれているため、生物の生存期間中はその生物に含まれているC14の量は一定に保たれます。 しかし生物が死ぬとC14が取り込まれなくなり、C14の量は減少していく※ため、その時のC14の量を調べたらその生物の年代が解るというものです。

※ 放射性同位体は時間の経過とともに安定同位体に向かい減少する。C14の場合、5730年が半減期となる。

<大気中のC14の濃度変化への対応>
もう少し正確な原理を説明しますと、年代によって大気中に含まれていたC14の濃度は異なっているため、その時代の大気中のC14の濃度が分からないと、正確な年代を測定することができません。 各時代における大気中の濃度の測定方法の一つとして、生存していた時代が明確に分かっている木の年輪に含まれているC14の濃度を調べるという方法がありますが、 それよりも正確に測定する方法として、湖に堆積された年縞を調べるという方法があります。

年縞とは湖の年輪のようなもので、季節によって堆積物が異なり層の色の違いになって現れるため、その層ができた年が分かります。 従って、各層におけるC14の濃度をお手本とすれば、様々な生物のC14の濃度から年代が分かるというものです。

<奇跡の湖 水月湖>
お手本となる湖の年縞にも条件があって、以下の様に水が攪拌されないような湖である必要があります。

① 流れ込む大きな河川が無い
② 山々に囲まれ、風の影響を受けない
③ 生物がいない
④ 土砂などで埋まらない

そういった条件がぴったり整った湖に、日本の福井県にある「水月湖」があり奇跡の湖とも呼ばれており、 その年縞は年代較正のお手本として広く使われております。









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