公開日:2018/3/15 , 最終更新日:2024/3/17
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・In English
前提知識
・微分方程式
・ラプラス変換
・移動平均処理
・後退差分
・双一次変換
■デジタルフィルタとは
デジタルフィルタとは、離散時間系におけるフィルタのことです。時間を離散系で扱う必要のある組み込み系などにおいてフィルタを実装する場合、連続時間系を離散化して実装します。
例えばローパスフィルタの連続時間系と離散時間系の違いのイメージは以下のとおり。
■離散化の方法
連続時間においては、物理モデルを微分方程式で表現し、それをラプラス変換してs関数に置き換えました。
離散時間においては、微分方程式を後退差分法などで表現し、それをZ変換してz関数に置き換える必要があります。
なお、s関数から双一次変換によってz関数に近似する手法もあります。
■デジタルフィルタの種類
デジタルフィルタには大きく分けてFIR(Finite Impulse Response)フィルタとIIR(Infinite Impulse Response)フィルタがあります。
両者の違いは、FIRフィルタは入力値だけを使って処理するフィルタに対して、IIRフィルタは入力値だけではなく出力値も使ったフィルタとなります。
入力値しか使わないFIRは、入力が0になったらいずれは出力も0になるので、有限の(Finite)応答といえます。
一方、出力値も使うIIRは入力が0になっても結果が0になるとは限らないので無限の(Infinite)応答といいます。
<FIRフィルタ>
FIRフィルタの具体的な事例としては単純移動平均があります。例えば以下は過去3つの入力値を用いて演算します。
FIRフィルタの性質としては以下が挙げられます。
・過去の入力情報を多く覚える必要があり、メモリー容量を必要とする。演算式も長くなる。
・出力結果は常に安定である。
<IIRフィルタ>
IIRフィルタの具体的な事例としては、入力情報と出力結果の加重移動平均などがあります。例えば以下。
IIRフィルタの性質としては以下が挙げられます。
・多くの過去の入力情報は必要なく、簡単な式で表現することが可能。
・式の形やゲインの設定の仕方次第では不安定になる。
■デジタルフィルタの動作確認
こちらで説明します。
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