デジタル信号処理, サンプリング周期, 分解能, 量子化誤差とは



デジタル信号処理

公開日:2018/11/7         

In English
前提知識
プルアップ抵抗
AD変換
2進数


■デジタル信号処理とは

デジタル信号処理とはアナログ信号をデジタル化するための処理、及びデジタル化された信号の処理の事で、 DSP(Digital Signal Processing)といいます。なおDSPはデジタル信号処理に特化したプロセッサ(Digital Signal Processor)の事を指す場合もあります。

例えば以下の様に、センサ(例えばサーミスタ)等の値をコントロールユニットに取り込んで何かしらの処理を行いたい場合、 ブルアップ抵抗等によって分圧されたセンサ値に対してAD変換を行いCPUに取り込みます。



ここで、本来は連続的に取りうるセンサの信号をCPUは離散値として認識します。



■分解能 , サンプリング周期とは

アナログ信号をいかに精度よくデジタル化するためには、分解能とサンプリング周期が重要となります。イメージは以下。



<分解能>
分解能とは、値をどれくらいの桁数まで細かく認識できるかを表す能力のことで、AD変換器とCPUの性能によって決まり、Bit数でその能力を表現します。

例えば、8bitの性能を持つAD変換器とCPUがあり、またセンサの取りうる電圧の範囲は0-5Vだったとします。この時センサ値をどれくらいの精度で検出できるでしょうか。 まず、2進数で8bitという事は、2の8乗=256段階で表現が可能です。すなわち0-5Vの範囲を256段階で表現が可能となりますので、取りうる最小値は5/256=0.0195313Vとなります。 なおこの取りうる最小値の事をLSB(Least Significant Bit)といいます。またアナログ信号からデジタル信号に変換した際に生じる誤差のことを量子化誤差といいます。



<サンプリング周期>
サンプリング周期とは、どれくらいの時間的間隔でセンサ値を取り込むかを意味しており、サンプリング周期が短いほど精度が良くなります。 サンプリング周期は、時間や周波数で表したりします(例えばサンプリング周期が0.1秒間隔の場合、周波数は10Hz)。サンプリング周期はCPUのクロック周波数に依存しますが、 クロック周波数より短い時間でサンプルしなければならないという事は実使用上めったにありません。サンプリング周期の制約となるのは、たくさんのセンサを同時に読み込んだり、たくさんのプログラムを動かしたりするときに CPUの処理負荷がオーバーした時にサンプリング周期を落としたりします。

なお、どこまでサンプリング周期を長くしても良いかというと、信号の周波数の2倍より大きければ元の信号を復元可能であるという定理があります。 これを標本化定理、サンプリング定理といいます。









サブチャンネルあります。⇒ 何かのお役に立てればと

関連記事一覧



デジタル信号処理