窓関数



デジタル信号処理

公開日:2018/11/12         

前提知識
周波数分析


こちらで周波数分析の方法を説明しましたが、周波数分析は扱う信号数を2のn乗個にする必要があり、それを一区切りの信号とみなすので、 例え本来は連続な信号であっても選択するデータの個数によっては、以下の様にデータが急変する様な周期関数として扱ってしまいます。


それを防ぐ手立てとしてはサンプル区間の両端を0に近づける様にすれば連続的につながる様になり、その処置をするのが窓関数というものです。イメージは以下。



■具体例
1Hzの周期信号を0.01秒間隔で256個サンプルしたものを、そのまま周波数分析したものと窓関数を加えて周波数分析したものを比較した結果が以下となります。 窓関数を加えない元の信号は山のすそ野が広がったような形をしております。これをリーケージ誤差(漏れ誤差)といいます。 一方窓関数を加えた方が信号のすそ野が急峻に0に収束しているのが解ります。ただし強度の絶対値はそのままのものと比べて小さくなっています。



■窓関数の種類
ハン窓
ハンさんという方が考案したためこう呼ばれます。後述するハミング窓からなぞって「ハニング窓」とも呼ばれる場合もあります。式は以下のとおり。 特徴は両端が0になるため、連続な関数と扱う事が出来るのでリーケージ誤差が少ないです。しかしその分減衰が多く特徴となる周波数まで減衰させてしまう場合があります。



ハミング窓
こちらはハミングさんが考案したものとなります。両端を完全には0にしない為、若干不連続にはなりリーケージ誤差は大きくなりますが、減衰量がハン窓に比べて少ないので周波数分解能が良いです。



ハン窓とハミング窓を比較すると以下となります。



■具体例②
以下にハン窓とハミング窓を使った結果の比較を示します。結果を見るとハミング窓の方が狙いとする周波数の振幅が強く、リーケージの影響も少ないように見えます。 この事より、分析する信号によっては得意な窓があるという事が解ります。



なお拡大してよく見てみると、他の周波数のところはハン窓の方が振幅が小さく、見方によってはリーケージがハン窓の方が少ないと言えるかと思います。











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