比例微分先行型PID制御(I-PD制御)



制御理論(古典)

PID制御設計

ゲイン設定方法
実験編
ステップ応答法

限界感度法
極配置法
考え方
P制御+1次遅れ

PI制御+1次遅れ

PID制御+2次遅れ
安定判別法:ボード線図
考え方

P制御+1次遅れ系

古典制御の応用

最終更新日:2017/6/21          

In English
<Premise knowledge>
PID制御
Scilab


■比例微分先行型PID制御とは

PID制御において、微分項や比例項によって目標値が急変した時に操作量が急変することをキックといいますが、 このキックを抑えるための手法の一つである比例微分先行型PID制御(I-PD制御)について説明します。なお類似の制御に微分先行型PID制御というのもあります。

通常のPID制御は、目標値と実値の偏差に応じてゲインをかけますが、比例微分先行型PID制御は、比例項と微分項は実値に対してゲインを掛けます。 両者を比較すると以下となります。比例項と微分項は引き算になっているので注意が必要です。




■比例微分先行型PID制御の設計

Scilabで設計すると以下となります。制御対象物及び微分器の中身はこちら


<シミュレーション結果>
パラメータは以下のとおり。比例項と微分項のキックが無いことが解ります。

 Kp=2, Ki=4, Kd=0.35



<比例微分先行型PID制御のデメリット>

比例微分先行型PID制御によって、操作量の急変(キック)が無い状態となりましたが、応答性が遅くなるのがデメリットとなります。 応答性改善のため以下の手法をとります。

■フィードフォワード+比例微分先行型PID制御

応答性改善のために、以下の様に目標値に対してゲインをかけて補正します。これがフィードフォワード(F/F)の役割となります。



<シミュレーション結果>
パラメータは以下のとおり。F/F項が無い場合に比べ、応答性が良くなっているのが解ります。ただしオーバーシュートが大きくなるため、 F/F項を大きくするとPID項を再チューニングする必要が出てきます。

 Kf=1, Kp=2, Ki=4, Kd=0.35













サブチャンネルあります。⇒ 何かのお役に立てればと

関連記事一覧



制御理論(古典)

PID制御設計

ゲイン設定方法
実験編
ステップ応答法

限界感度法
極配置法
考え方
P制御+1次遅れ

PI制御+1次遅れ

PID制御+2次遅れ
安定判別法:ボード線図
考え方

P制御+1次遅れ系

古典制御の応用