ワイブル分布 ワイブル確率紙



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公開日:2020/10/1          

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前提知識
 ・確率密度関数
 ・対数


■ワイブル分布とは

ワイブル分布とはスウェーデンの学者W.Weibullによって提唱された確率分布で、「複雑な機構を持つシステム(部品)の故障は、そのシステムの最も弱い部分の故障に従う」とした場合の故障発生確率分布で、 以下式で表します。もともとは、鎖が破壊されるのはリングの最も弱い部分の破壊によってもたらされる事を表したもので、最弱リンクモデルとも呼ばれます。

<確率密度関数>
確率密度関数は以下式で表します。mの値によって部品の故障形態が異なります。

・m<1 :初期型故障
・m=1:時間の経過には関係のない偶発故障
・m>1:摩耗型故障。mが小さいと初期型で、mが大きくなるに従い後期型の摩耗故障となる



<累積分布関数 CDF:cumulative distribution function>

累積分布関数とは所定範囲内の確率の累積値で、全範囲の累積値は1になります。 横軸を期間として、製品をリリースしてから所定期間の故障発生率を見積もる際に累積分布関数を用い、例えば3年CDFなどと呼ぶ場合があります。



<故障率>
故障率λ(t)とは上記ワイブル分布の式の一部分で表され、以下グラフの様になります。



これら故障率の特性は、先述したとおり初期型、偶発型、摩耗型に分類され時間経過とともに故障率が変動していきます。 これを一つの曲線で表したものは、ちょうど浴槽に似ている事からバスタブ曲線といいます。



■ワイブル確率紙とは

部品の故障率を調べるにあたって、上記の様な確率密度関数や累積分布関数を見ても、ワイブル分布に従っていると一概には判断が難しいと思います。 そこでワイブル分布を直線上で表すことで、分布への適合性を判断するツールがワイブル確率紙となります。ワイブル確率紙のサンプルは以下のとおり。



縦軸は累積分布関数(パーセント表示)で、メモリが不等間隔となっており、一見対数表示に見えますがそうではありません。 これは、右側縦軸に示された関数に対比された値となっているからですが、その関数の導出方法は以下になります。



なお、以下の関係が成り立つ。











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