AC電費, DC電費の違い 電気自動車の電費



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公開日:2024/1/9         

■電費とは

電気自動車における電費とは、単位電力量当たりの走行距離となり以下式で表します。


■AC電費, DC電費とは

AC電費とDC電費の違いは、上記電費式における消費電力量の求め方が異なります。

AC電費における消費電力量とは、充電設備からバッテリーに充電する電力量になります。 従ってガソリン車における満タン法の様に、最初にバッテリーを満充電にした状態から、一定距離走行したところで再び満充電にすることで、その時の走行距離と充電電力量からAC電費を求めることができます。 充電設備はAC(交流)になるのでAC充電といいます。急速充電設備で充電した場合はDC(直流)ですが、それでもAC電費といいます。カタログに記載されている電費はAC電費となります。

一方DC電費における消費電力量とは、バッテリーが消費する電力量になります。 自動車は内部のコンピュータでバッテリーへ出入りする電流値をモニタしているため、一定距離走行した時のバッテリーが消費した電力量からDC電費を求めることができます。 バッテリーに出入りする電流は直流なのでDC電費といいます。メーター等リアルタイムで表示されている電費や、カタログに記載されている走行可能距離はDC電費から算出されます。


■なぜAC電費、DC電費という考えがあるのか

AC電費とDC電費の計算方法の違いは上記の通りですが、AC電費とDC電費の値は異なった結果となります。 その理由は、AC充電の場合は充電設備から供給された電力はバッテリーの充電以外にも電装品を動かすこと(充電時にバッテリーを温める等)に使用されている分や、設備の充電効率も考慮してAC電費を算出するからです。 従ってAC電費をつかって走行可能距離を見積もろうとすると実際の走行距離との乖離が生じます。 そのためDC電費(から算出したカタログの走行可能距離)の方が、走行可能距離の実態に近いです。一方AC電費は、車の環境負荷の実態を表している事になります。

なおカタログに載っているバッテリー容量と、電費(AC電費,DC電費問わず)から走行可能距離を計算しても、実際の走行距離との乖離が生じます。その理由はバッテリー容量が完全に0%になるまでは走行できないからです。

■AC電費、航続距離(DC電費)の正確な見積もり方法

カタログに乗せるAC電費、航続距離(DC電費)は、こちらに示すような認証試験を行って算出します。 このときDC電費を算出する際のバッテリーの電流値/電圧値は、車両内部のコンピュータが計測した値を用いるのではなく、外部計測器(クランプ計など)を使って計測します。 メーカーが操作しているコンピュータが出力する電流値は信用ならないということでしょう。

■AC電費、DC電費の違いまとめ










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