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前提知識
・ニュートンの法則
■摩擦力とは
摩擦力とは、物体が互いに接している時に、物体が動こうとする力に対しその動きを妨げる様に反対方向にかかる力のことで、物体に押し当てる力に比例し以下式で表すことができます。
μは摩擦係数といい物体の素材で決まり、物体が動き始める前は静摩擦係数、動き始めてからは動摩擦係数を用います。一般的に静摩擦係数より動摩擦係数の方が小さいため、
動き始めてからの方が摩擦力は小さく物体は動きやすいと言えます。
上記において、物体にかける力Fと加速度aの関係は以下となります。(参照:ニュートンの法則)
■タイヤの摩擦
物体にタイヤが付いており、タイヤの駆動力で車両が前に進む場合の摩擦力を考えます。
<タイヤがスリップせず前に進んでいる場合>
タイヤがスリップせず前に進む事ができるのは静摩擦が働いているからになります。しかし前に進む力は、押す力に対して静摩擦力が差し引かれる訳では無く、
以下のような転がり抵抗が差し引かれます。
式の形は静摩擦係数が転がり抵抗係数に変わっただけですが、両者は全く異なるもので、転がり抵抗係数には摩擦による損失だけではなく、タイヤの変形によるエネルギー損失分も考慮されます。
しかしそれでも転がり抵抗係数の方がずっと小さい値となります。
なお転がり抵抗係数は、タイヤの素材や路面の状態で大きく変わったりするので、転がり抵抗は条件を定めた上で車で実際に計測して求めるのが一般的です。
<タイヤがスリップしている場合>
タイヤがスリップする現象は、駆動力がタイヤと路面の静摩擦力を上回った場合に発生します。そして一度スリップしてしまうと、駆動力が動摩擦力を上回っている間スリップし続けます
(動摩擦の方が小さい為、一度スリップするとスリップしやすい状態となる)。従って車がスリップせず前に進むためには、駆動力が以下状態となっておく必要があります。
そしてスリップ中は動摩擦の反力分が路面に伝わって進む力となります。
なお自動車の4WDは2WDに比べスリップしにくいですが、それは各タイヤへの駆動力が分散され、駆動力が各タイヤの静摩擦を上回り難くなるためです。
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