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公開日:2017/6/27 , 最終更新日:2019/9/6
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前提知識
・RL回路
・Scilabとは
現代制御で扱う状態方程式の求め方を、1次システムである以下RL回路を用いて説明します。1次システムとは1階微分の微分方程式で挙動が記述できるシステムの事で、
一般的にn次システムとはn階微分の微分方程式となります。

■微分方程式を立てる
状態方程式を求めるには先ずは微分方程式を解く必要があります。
入力をV(t)と電流i(t)の関係は以下式で表すことが出来ます。RL回路の詳細についてこちらで説明。

■状態方程式, 出力方程式
先ず状態方程式と出力方程式の一般式は以下となります。

これを上記例に照らし合わせてみます。(1)式を変形すると以下。

上式を行列式で表した形が以下状態方程式となります。AとBはそれぞれ上記一般式のA,Bにあたります。

また出力方程式は以下となり、i(t)に対してCをかけたものを出力y(t)と定義します。今回の場合は出力をi(t)としたためC=1となっていますが、
i(t)に対してある関係を持つ別のパラメータを出力y(t)と定義してもよく、Cは必ずしも物理式からではなく実機から求めた値を設定してもよいです。

こうしてみると、わざわざ行列で表現する必要性が解らないと思われます。確かにこの様な簡単な式の場合ではそう思うかもしれませんが、
2次システムになったり複雑な式になると便利さが解ってきます。
■ブロック図で表現
上記状態方程式の一般系をブロック図で表現すると以下となります。

今回の電気回路における状態方程式をブロック図で表現すると以下となります。

■Scilabで動作を確認
scilabで設計すると以下となります。2パターン用意してあり、上側の数式の書いたブロックは状態方程式を表し、パラメータを入れるだけで下側のブロックと同じような動作を実現できます。

シミュレーション結果は以下のとおり。L=0.5 , R=2としております。2パターンのどちらも同じ挙動となります。

次に、このシステムを狙いの動作にするための状態フィードバック制御について説明します。
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