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公開日:2017/2/23 , 最終更新日:2020/7/3
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複素数とは例えば"2+3i"の様に実数と虚数で組み合わされた数の事ですが、複素数を考える上で重要なのはやはり虚数の部分です。
そこで先ずは虚数とは何か説明します。
■虚数
虚数とは一言でいうと、2乗したら負になる数の事です。その中でも2乗して-1になる数を" i "とし、以下式で表します。
2乗して負になる数は現実には存在しないのですが、虚数を認めることで計算が便利になる場合があります。

虚数の意味を理解するためにベクトルで考えます。実数だけの場合プラスが右向きに進む値ならば、マイナス方向は左向きに進む値で180°進行方向が変わります。

ここで実数では直線軸上でしか進めなかったのに対し、直線軸に対して90°の向きに進む事が出来るのが虚数という概念です。
下記の様な実数軸と虚数軸を一つのグラフに表したものを複素平面といいます。

また1に対して、90°回転している位置がiとなります。これは1にiを掛ける事と等しくなります。また更に90°回転させると-1になることが解り、i × i=-1という関係が成り立っていることが解ります。

例えば2+3iという複素数に対してiをかけてみると、以下の様に複素平面上に表すことができ、iを掛けることで90°回転させていることが解ります。

<虚数の実用例>
虚数は実数軸に対して90°向きを変えて進み、iをかけることは座標を90°回転させているという事が解りましたが、この考え方の実用例として、コンピュータグラフィック等で図形を回転させるための演算を容易にするのに虚数を用います。
■三角関数で表現
原点からの距離aと実数軸に対する角度θが解っている複素平面上の座標を、三角関数を用いて表現します。

■複素指数関数
上記の様に三角関数で表した複素平面上の座標は指数関数でも表現でき、これを複素指数関数といいます。オイラーの公式より、

ここで複素平面上の座標を指数関数で表現する理由の一つとして、e^xを微分/積分しても形がほとんど変わらないという点で、
三角関数より扱いやすいという理由があります。
またオイラーの公式は、原点からの距離が1(a=1)の複素平面の同一円周上の座標を表現しております。
そして、θの値がπ/2の倍数で実数軸/虚数軸上にちょうど位置します。特にθ=πの時はオイラーの等式と呼ばれ、最も美しい式の一つと言われています。

<複素指数関数の特性>
① 周期性
複素指数関数は同心円状を移動するので、角度θが一周(2π)した時は値が同じになります。

② 対称性
円の中心を通って反対に位置する点(点対称の位置)はその数値にマイナスをかけたものと等しくなります。

■複素数の実用例
複素数の実用例に、コンピュータグラフィック等で図形を回転させるための演算を容易にするのに虚数を用いると述べましたが、
その他の実用例として制御工学等で複素数がどのように役に立つか、こちらで更に詳しく説明します。
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