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ラプラス変換について、ここでは工学としてそれを使用する立場で説明します。数学的な概念についてはこちらで説明。
ラプラス変換は一言でいうと、微分方程式を簡単に解くための手法です。以下例を見てください。

この回路の電流値を知る場合、以下微分方程式を解くのが一般的ですが、実は微分方程式を解かなくても
こちらの様にScilab等でシミュレーションをして把握することが出来ます。

しかし微分方程式を解くことの意味としては、(この例の場合)電流がどのような動きを示すかを定量的に示すことが出来る事です。
それでは(1)式を下記ラプラス変換表に従いラプラス変換します。なお電圧V(t)はE(V)のステップ信号とします。

上記を踏まえると(1)は以下となります。番号はラプラス変換表の番号に当たります。

また上式を以下のとおり変形します。

■逆ラプラス変換
(3)式を逆ラプラス変換し、(1)式の微分方程式の解を求めます。
しかし(3)式は上記ラプラス変換表に該当しない形なので、逆ラプラス変換出来るような形に変形します。
そこで以下の様な形だったら逆ラプラス変換できるとし、aとbがそれぞれどんな値となるかを考えます。

(3)(4)式より

ここで、

より、

(5)式を(4)式に代入すると、

さらに、

これで逆ラプラス変換できる形になりました。ラプラス変換表に従い、(7)を以下のとおり変形します。

これが(1)式の微分方程式の解となります。
■電流値の動き
(8)式から電流i(t)は以下のような動きをするのが解ります。

(8)式で注目するのは自然対数eの部分です。tに応じてeの部分、およびi(t)は以下の様になります。

これで、微分方程式を解けば対象物の特性を定量的に示せる事が解りました。
しかし依然として微分方程式の扱いが難しい所は、入力値の特性が変わった場合には再び微分方程式を解かなければならない所です。
もっと一般的に、対象物がどのような動きをするかを表現するためには、伝達関数というものを使います。
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