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■電力とは
電力とは、単位時間あたりに電流がする仕事のことで、電圧V、電流I、抵抗Rを用いて電力Pを以下のように表します。式変形はオームの法則 V=IR を用いています。
なおエンジンやモータから得られる出力も電力と同じ単位になりますが、その関係性についてこちらで説明しています。

■電力量とは
電力量とは、仕事の総量のことで、電力に時間をかけて以下の様に表します。電力量の単位はJ(ジュール)やkWhで表すことができます。詳細はこちら。

■送電による電力損失
送電時の電力損失は、送電線の抵抗分の電力と等しくなるため、(1)と同じ式になります。また損失はジュール熱分となるため、ジュール熱と同じ式にもなります。

■高電圧の方が送電時の損失が低い理由
<適切ではない説明>
電力が同じならば、電圧が高い方が送電時の損失が低いですが、その理由の説明として以下の様な説明がされる場合があります。

しかし上記の場合、①②で抵抗値が異なるので、抵抗値も考慮して損失を計算するとどちらも損失は同じになります。

<交流を変圧した場合を考える>
上記は説明が適切ではなく、交流電流の特性から考える必要があります。
交流の電圧を変換する場合は変圧器を用い、この時以下の様に巻線の比によって電流と電圧が決まります。

交流電流を送電する場合、上記の変圧器を組み合わせ、高圧にして送電し、末端の負荷に電力を供給する際に低圧にします。
以下の様に、低電圧時と高電圧時の送電線の損失を比較すると、高電圧時の方が損失が低いことが分かります。

なお、上記真ん中部分の回路に着目すると以下のとおりになります。
高電圧時の方が右側のコイルの電気抵抗(インピーダンス)が高くなり、相対的に電線の抵抗が小さくなるため、電線の損失が低くなります。

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