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公開日:2018/9/12 , 最終更新日:2020/7/25
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前提知識
■電磁誘導とは
コイルに磁石を近づけたり離したりすると、磁石の磁束を打ち消すようにコイル内に磁束が発生し、磁束が発生すると電流が発生します。この現象を電磁誘導といい、発生した電流/電圧を誘導電流、誘導起電力といいます。
電流の発生する方向はレンツの法則により、右手の親指が磁力線の向きと等しくなるようにコイルを握った時に人差し指の方向が電流の向きとなります。

<コイルの巻き方による違い>
コイルの巻き方で電流の向きが変わります。(コイルを反対側から見ただけと考えれば、電流の向きが変わったように見えるのは当然ですが)

■自己誘導とは
コイルに電流が流れると磁場が発生しますが、電流が流れ始めた時には磁場の発生を妨げる様に逆起電力が発生します。これを自己誘導といい、その時の逆起電力を自己誘導起電力といいます。
ただし電流が逆向きになるまでの逆起電力が発生する訳ではありません。また電流を流して磁場が発生している時はコイルが磁石の性質を持ちます。

<自己誘導の活用例>
電流の変化に対する応答が遅いという性質を利用して、回路のノイズを除去するローパスフィルタとしてコイルを用います。
以下がコイルを使用したRL回路図となります。これではコイルの巻き方は解らなく磁束の向きは解りませんが、それでも電流の向きは変わらないので、電流値を求める分にはコイルの巻いている方向が解らなくても問題ありません。
RL回路の電流値の求め方はこちらを参照。

その他の活用例としては、電流を流すと磁石になるという性質を利用し、ソレノイドバルブとして利用します。
■相互誘導
以下の様な鉄の棒にコイルを巻きつけた状態で、1次コイル側に電流を流します。すると1次コイル側から磁束が発生するのですが、2次コイル側はその磁束を打ち消すように
磁束が発生します。磁束が発生すると2次コイル側にも電流が流れます。これを相互誘導といいます。ただし1次コイルの磁束が変化した時だけ2次コイルに磁束が発生するので
ずっと電流が流れるわけではありません。
なお2次コイルの巻き方が逆だと流れる電流の向きも逆になります。

回路図で示すと以下となります。黒い点はコイルの巻いてある向きを表します。コイルの巻き始めのところに黒い点を付けるのですが、どちら側を巻き始めとするのか
人によって見方が変わると思います。それは問題なく、2次側のコイルとの巻き方の関係性が適切であればどちら側かを巻き始めと定義してもよいです。

相互誘導の活用例としては、交流電圧を変換するトランスがあります。
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