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■熱エネルギーとは
質量m[g]、温度T[K]の物体(ここでは鉄球)が持つ熱エネルギーQ[J]は以下の様に定義されます。
ここでcは鉄の比熱[J/(g・K)]となりますが、比熱とは物質1gを1℃上昇させるのに必要な熱量となります。
またmcを熱容量[J/K]といい、物質の温度を1℃上げるのに必要な熱量となります。
■熱量の求め方
先ほどの鉄球が100gで80℃だったとします。これを20℃の室内に放置すると、次第に温度が低くなり室内と同じ20℃になる事は想像に難くないと思います。
ここで、球と室内の気体とやり取りされたのは熱量[J:ジュール]となります。球が持っている熱量が室内の気体に奪われる事で球の温度が下がります。
(気体は熱量が与えられるので温度が上がりますが、ここでは室内は十分に広いとして温度は一定とします)
では1℃温度を上昇させるのに何J必要になるのでしょうか。物質をΔT℃上昇させる時の熱量Qは以下で表すことができます。
これは先ほど出た式と形は同じで、ΔTになっている所が違います。
<熱量とエネルギーの違い>
熱量と熱エネルギーの単位はどちらもジュールなので両者は同じものかと思いますが、熱エネルギーはその物体が与えることのできる熱量の能力のことを指し、熱量は他の物体に与えた仕事量のことで、
ポテンシャル(総量)とデルタ(差分)の違いであると、私は理解しております。
■ジュールとワットの関係
ジュール[J]と関係する単位にワット[W]というのがありますが、ワットは時間当たりの熱量(出力)となります。従ってワットに時間をかけたのがジュールとなります。関連ページはこちら、エネルギーと出力の関係。
■熱量と温度の計算例
<問①>
温度20℃の室内に置かれた、100g、80℃の鉄球が、室内温度と等しくなった際に失った熱量を求めよ。鉄球の比熱は0.435とする。
<回答>
(熱量計算は温度はケルビンで扱うのが基本ですが、ここでΔTはケルビンでも℃でも同じなるので℃で計算してます)
<問②>
80℃、20℃の時の鉄球が持つ熱エネルギーを求めよ。
<回答>
ここでは温度はケルビンで求める必要があります。このエネルギーの差分は放熱で奪われた熱量と一致します。
<問③>
20℃の鉄球に1000Jの熱量を与えた。温度は何度上昇するか。
■時系列で温度の変化を考える
時系列で温度の変化を考えるためには微分方程式を解く必要があります。こちらをクリック。
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